DON QUIJOTE

eastern youth DON QUIJOTE歌詞
1.街はふるさと

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

「何がどうなっているんだろう?」
見えぬ眼で睨むれば
「何がどうだって言うんだろう?」
縺れながらも走るだけ
悲しいなら泣けよ
泣けば世界は土砂降りの雨だろう

泣き飽きて
泣き飽きて夕焼けがくすぐったい
くすぐったくて
笑い転げて涙出た
涙拭いたら、もう行くぜ
冷めて張り付いた横顔のままで

彷徨えば
足許、今日もフラフラ
歌は今日も涙と風の
その声だ
人間万事グラグラ
地平の果て
決して届かぬ虹が
架かっている
まるで陽炎のように

水に映る空が
それを見ている俺の
眼鏡に映る

人並み縫うように
風は吹く


2.JET MAN

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

一足飛びに彼方の街へ
風吹く速さのままに
手を振り別れ
誰かと出会う
花と涙を携え

月の無い夜を一跨ぎ
絶望の谷を一跨ぎ
飛んで行け 飛んで行け
ツバメや雲やジェット機みたいに
捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け
捨てられる全てを

一足飛びに知らない街へ
躓く弾みのままに
「誰の指図も受けない」なんて
ナカナカ難しいもんだなあ

そうさ、アイツ等も一跨ぎ
そうさ、夕焼けを一跨ぎ
飛んで行け 飛んで行け
目蓋に残る傷の向こうへ
捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け
追い縋る全てを

旅の夜空に俄に浮かぶ
あれは迷い、恐怖、失望
黒い影ニヤリ
「道は閉ざされた
明日は閉ざされた!」

飛んで行け 飛んで行け
ツバメや雲やジェット機みたいに
捨てて行け 捨てて行け 捨てて行け
捨てられる全てを


3.DON QUIJOTE

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

馬鹿な男が立っている
雨上がりに
唇噛んで太陽が去るのを待っている
連なるテールライトが
河のように赤く流れる国道で
独り突っ立って風の中

憧れて 人の世に焦がれて
窓枠のもどかしさを
飛び越えてやって来た
魂は燃えている
夕焼けに負けない程
無様に転げ落ちたって
どこまでも信じている

見えざる影に刃を振り翳しては
敗れる事が唯一の生きている証
馬鹿な男が立っている
大事そうに胸に抱えているものは
二束三文のシケた詩
二束三文の真実

現れて
忽然と消えて行く
暁の儚さを
携えてやって来た
魂は燃えている
雷鳴を蹴散らす程
励ましなんて用は無い
目隠しで立ち向かうさ

そうさ 「明日はきっと晴れる。俺には判る。」


4.暁のサンタマリア

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

暁のサンタマリア
光る雲 綺麗だよ
真夏のサンタマリア
噛み殺す苦い夢

また見えないものばかり追い掛けて
見慣れぬ空の下
またひとつ詩を手に入れて
それだけ それだけ

何なんだか見えねえんだよ
でも何なんだか知りてえんだよ
山影のグラデーションに
心が壊れそうだ

また遠くの方ばかり眺めてる
いつもの空の下
溢れ出た歌を聴いたのは
風だけ 風だけ

夏の朝焼けに星が消えるよ
深く息を吐き涙を捨てるよ
1,2,3で元に戻るよ
サヨナラさ

暁のサンタマリア
夜明けに佇む時
暁のサンタマリア
何時だって君を想う


5.矯正視力〇.六

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

何回だってやり直す
悲しみなんて川に捨てる
本当は内ポケットに仕舞ったままだ
仕様が無いから連れて歩く
午後の陽が陰って来て
俺は目を挙ぐ
何も見えちゃいないが

※朝な夕なに俺達独り
あんな街 こんな街さ
其処で風を見たり 月を見たり、さ
擦れ違って
すぐ見えなくなる※

携帯電話を破壊して
漸く世界と繋がった
馬鹿な俺は何時でも爪先立ちで
ヘッドライトに怯えて歩く
遠くで犬が吠えている
俺は手を振る
誰も振り向きやしないが

ビル間に夜に雨は落ちて
あんな人 こんな人さ
其処で夢を見たり 花を見たり、さ
四つ角でまた見えなくなる

何回だってやり直す
何回だってやり直すんだ
静かに朝がやって来て
それを迎えて涙をグッと飲み込んでいる
ホームの一番電車にはわざと乗らずに
赤い空を見ていた

夜明けに雲が燃えて光って
横顔滲ませるんだ
そして俺は右に 君は左、さ
振り向けばもう見えなくなる

(※くり返し)


6.敗者復活の歌

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

避けて通れぬ道さ
どの道も
見ろよ
朝日がそれを告げている

此処が世界の果ての果て
暗く寂しい故郷さ

感傷に絡まって見失う
現実に踏み出して取り戻せ
燃える太陽 背に受けて
歩き出せ

風の彼方に何がある
それの彼方に何がある

妄想に捕まって動けない
執着を断ち切って歩き出せ
燃える太陽 背に受けて
廻る世界を 背に受けて
歩き出せ


7.安手の仮面と間抜けた男

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

立ち上がって 意地になって 振り解いて行く
懈い人生 懈い安寧を
その気になって 飛び上がって 飛べぬ毎日
降り積もってカビが生えていく

午前零時 言い訳 逃げ道探し
何処へ行く?
安手の仮面を被ったままで

霧になって消えて行った面影達
後尾灯の暗い光
恥ずかしくて 情けなくて うつむく度
保身の鎧を継ぎ足して来た
塗り込んで 誤魔化した 空の色
涙ぐんで夜を待っている
「駄目なんだ 嫌なんだ」長い影
つまらん仮面は被ったままで

街灯の白い光が歪む
何処にある?
誰かが言ってた「本当の姿」

―草葉ノ影カラ虫ノ声―

午前零時 奴等に別れを告げろ
午前零時 間抜けた素顔のそのままで


8.夜更けと蝋燭の灯

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

蝋燭の小さな灯が揺れる度
消えては現れて
今迄が揺れている

窓の外は雨
後悔が濡れている
今は遠過ぎて
その姿さえ曖昧だ

音無く夜は更けて
想いは一秒刻みだ
音無く夜は更けて
潤んだ赤茶けた風景だ

見知らぬ街の角
風だけが親しい
騒ぎ立つ木立が私の今を告げる

虹を追い掛ける
その嘘を知りながら
窓の外は雨
光と闇が曖昧だ

音無く夜は更けて
想いは弛んだ弦のようだ
音無く夜は更けて
漂う愛おしい一秒だ


9.大東京牧場

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

上空 白い雲 羊の群れたち
東京 白いシャツ 羊の群れたち
ラララララ 何もかも
ラララララ 無視する
雑踏 文庫本を右手にぶら下げて
雑踏 新宿通り 良く晴れた月曜日
ラララララ 何もかも
ラララララ 無視する

※大東京牧場で羊の群れは草を食む
有象無象の夏祭り
善良市民の面の皮※

今日 接点ゼロ ノ風景
毛穴ニ詰マル 苦イ電波
今日 接点ゼロ ノ人類
号令一下 ノ盆踊り
ラララララ 踊り出す
ラララララ 踊り出す

お池の岬に佇めば
水面に映る私の姿
多少毛色は違えども
やっぱり私も羊だった
ラララララ そうだったんだ
ラララララ そうだったんだ

(※くり返し)


10.街灯に明りが灯る前に

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

雨が降る 雨が降り続く
傘に日が暮れる
帰る道 濡れて帰る道
猫も濡れ、走る

誰か涙を奪ってくれ、今すぐ
街灯に明りが灯る前に

笑う顔 泣いて笑う顔
交差点に立つ
青になり、渡り、擦れ違い
滲む影 消えた

早く涙を奪ってくれ、俺から
次の角、あの信号に着く前に

黒い傘に
濡れた猫に
滲む影に
世界中に
雨が降る

誰か涙を奪ってくれ、今すぐ
街灯に明りが灯る前に

雨と共に 時は過ぎる
時と共に 雨は降る


11.窓辺

作詞:吉野寿
作曲:吉野寿

窓辺に立つ私の想いは
遥かの空の何処まで届くか
窓辺に立つ私達の涙は
遥かの夕陽の呼び声を映すか

此処では花弁が舞っている
時折、鳥達が鳴いている

窓辺に立つ私達の明日は
遥かの山並の向こうから訪うか

ビル風に砂ぼこり舞っている
時折、電線が鳴っている

窓辺に私達立っている
此処から遠い空見ている